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増配・減配・配当予想の修正とは:決算短信の配当欄の読み方と、増配した会社の数

決算短信の1ページ目には、売上や利益のほかに「配当の状況」の表があります。前の年度に1株あたりいくら配ったか(実績)と、今年度いくら配るつもりか(予想)が並んでいて、ここを見れば増配・減配がわかります。2026-09-14〜2026-10-29に発表された決算短信 761社(売上5億円以上。同じ会社は最後の決算だけ)のサマリー(XBRL)から、実際の数と例を見ます。

1「配当の状況」の表の読み方

表の行は「前期(実績)」「当期(実績)」「当期(予想)」、列は「第1四半期末・第2四半期末(中間)・第3四半期末・期末・年間(合計)」です。途中の決算(第1〜第3四半期)では、前の年度の年間の実績と今年度の年間の予想を比べます。通期の決算では、今年度の実績と来期の予想が並びます。

  • 年間の欄で比べる:中間と期末の2回に分けて配る会社と、期末だけの会社があります。前の年度の配当がある 621社のうち、中間にも配っていたのは 356社(57%)でした。
  • 「-」と「0円」は違う:「0円」は配らないと決めたこと、「-」や「未定」はまだ決めていないことです。この期間は 53社が、予想を出していないか未定でした。
  • 注記を読む:表の下の注記に、株式分割・記念配当・特別配当・配当予想の修正のことが書かれます。株式分割をした会社は1株あたりの金額が小さくなるので、数字だけで比べると減配に見えます。

配当の金額そのものは決算短信の1ページ目の5つの数字には入っていませんが、同じページの下のほうにあります。

2増配・据え置き・減配の数

前の年度(通期の決算は今年度の実績)の年間配当と、予想の年間配当を比べると、次のようになりました。

形全体(761社)途中の決算(今年度の予想)通期の決算(来期の予想)
増配294社(39%)257社37社
据え置き218社(29%)184社34社
減配51社(7%)42社9社
復配6社(1%)6社0社
無配に7社(1%)6社1社
無配が続く106社(14%)70社36社
株式分割などで比べられない26社(3%)20社6社
予想は未定・記載なし53社(7%)48社5社
  • 前の年度と今年度の両方で配当がある会社 563社のうち、増配の予想は 294社(52%)、据え置きは 218社、減配は 51社でした。減配の予想を出す会社は多くありません。
  • 増配の 294社の増やし方は、中央値で +12.0%。1割以上増やすのは 171社、3割以上は 59社でした。
  • 配当を出していない会社(無配が続く)は 106社。成長のためにお金を事業に回す新しい会社や、赤字の会社でよく見られる形です。前の年度は無配で今年度は配る予定の「復配」は 6社、配当をやめる予定は 7社でした。

通期の決算 128社では、すでに終わった今年度の配当の実績も前の年度と比べられます。増配 52社・据え置き 20社・減配 4社・復配 6社でした。

配当を大きく増やす予想の会社(営業利益1億円以上)

  1. PRTIMES(3922):年間配当 前の年度 13.8円 → 今年度の予想 74.3円(+438.4%)・会社予想の営業利益 -10.3% 2027年2月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-14発表
  2. 川上塗料(4616):年間配当 前の年度 44円 → 今年度の予想 150円(+240.9%)・会社予想の営業利益 +951.0% 2026年11月期 第3四半期累計・2026-10-15発表・検出
  3. 富士精工(6142):年間配当 前の年度 15円 → 今年度の予想 50円(+233.3%)・会社予想の営業利益 +190.8% 2027年2月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-13発表
  4. トーメンデバ(2737):年間配当 前の年度 540円 → 今年度の予想 1640円(+203.7%)・会社予想の営業利益 +160.3% 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-28発表・検出
  5. KOA(6999):年間配当 前の年度 32円 → 今年度の予想 78円(+143.8%)・会社予想の営業利益 +127.9% 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-23発表・検出
  6. グロービング(277A):年間配当 前の年度 16.1円 → 今年度の予想 35.6円(+121.1%)・会社予想の営業利益 +20.6% 2027年5月期 第1四半期累計・2026-10-15発表

配当を減らす予想の会社

  1. 田岡化学工業(4113):年間配当 前の年度 36円 → 今年度の予想 6円(-83.3%)・会社予想の営業利益 -75.6% 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-29発表
  2. Vコマース(2491):年間配当 前の年度 49円 → 今年度の予想 16円(-67.3%) 2026年12月期 第3四半期累計・2026-10-29発表
  3. アドヴァングループ(7463):年間配当 前の年度 100円 → 今年度の予想 40円(-60.0%)・会社予想の営業利益 +25.4% 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-09発表・検出
  4. ピーシーエー(9629):年間配当 前の年度 95円 → 今年度の予想 40円(-57.9%)・会社予想の営業利益 -48.6% 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-27発表
  5. 中外薬(4519):年間配当 前の年度 272円 → 今年度の予想 132円(-51.5%) 2026年12月期 第3四半期累計・2026-10-27発表

前の年度に記念配当・特別配当があった会社や、注記に書かれていない株式分割があった会社は、普通の配当は変えていなくても減配に見えます。決算短信の注記で確かめます。

前の年度は配当があり、今年度は無配の予想

  1. G-クラシコム(7110):年間配当 今年度 55円 → 来期の予想 0円・会社予想の営業利益 +9.5% 2026年7月期 通期・2026-09-14発表
  2. シリコンスタジオ(3907):年間配当 前の年度 10円 → 今年度の予想 0円 2026年11月期 第3四半期累計・2026-10-08発表
  3. 東武住販(3297):年間配当 前の年度 43円 → 今年度の予想 0円・会社予想の営業利益 -3.0% 2027年5月期 第1四半期累計・2026-10-13発表・検出
  4. リソー教育G(4714):年間配当 前の年度 10円 → 今年度の予想 0円・会社予想の営業利益 +6.3% 2027年2月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-13発表・検出
  5. G-バリューC(9238):年間配当 前の年度 2円 → 今年度の予想 0円 2027年2月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-15発表

前の年度は無配で、今年度は配当を出す予想(復配)

  1. サンアスタリスク(4053):年間配当 前の年度 0円 → 今年度の予想 10円 2026年12月期 第2四半期累計(中間期)・2026-09-14発表・検出
  2. サインポスト(3996):年間配当 前の年度 0円 → 今年度の予想 6円・会社予想の営業利益 +27.0% 2027年2月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-09発表・検出
  3. テーオーHD(9812):年間配当 前の年度 0円 → 今年度の予想 0.5円・会社予想の営業利益 +20.7% 2027年5月期 第1四半期累計・2026-10-13発表・検出
  4. G-TKP(3479):年間配当 前の年度 0円 → 今年度の予想 30円・会社予想の営業利益 +6.7% 2027年2月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-15発表
  5. ベルテックス(623A):年間配当 前の年度 0円 → 今年度の予想 28.5円・会社予想の営業利益 +18.5% 2026年11月期 第3四半期累計・2026-10-15発表

3業績の予想と、配当の予想の向き

会社の通期予想(通期の決算は来期の予想)の営業利益が増益か減益かで分けて、配当の予想を比べました(前の年度と今年度の両方で配当がある会社)。

営業利益の予想会社の数増配据え置き減配
増益の予想392社238社(61%)129社(33%)25社(6%)
減益の予想120社39社(32%)60社(50%)21社(18%)

増益の予想の会社は増配が多く、減益の予想の会社は据え置きが多くなっています。それでも、減益の予想なのに増配する会社が 39社ありました。「配当を減らさず、少しずつ増やす」(累進配当)や「純資産に対して一定の割合を配る」(DOE)のような方針を決めている会社は、利益が一時的に減っても配当を減らしにくくなります。反対に、増益の予想でも減配する会社は 25社で、前の年度の記念配当がなくなる・配当の方針を変えた、などの理由が考えられます。

減益の予想なのに増配する会社

  1. ユーピーアール(7065):年間配当 今年度 37円 → 来期の予想 38円(+2.7%)・会社予想の営業利益 -59.7% 2026年8月期 通期・2026-10-15発表
  2. 関西電力(9503):年間配当 前の年度 75円 → 今年度の予想 80円(+6.7%)・会社予想の営業利益 -42.9% 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-29発表
  3. SANEI(6230):年間配当 前の年度 69円 → 今年度の予想 75円(+8.7%)・会社予想の営業利益 -39.9% 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-26発表
  4. 中央発条(5992):年間配当 前の年度 60円 → 今年度の予想 90円(+50.0%)・会社予想の営業利益 -36.8% 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-28発表
  5. フィル・カンパニー(3267):年間配当 前の年度 20円 → 今年度の予想 25円(+25.0%)・会社予想の営業利益 -35.5% 2026年11月期 第3四半期累計・2026-10-13発表

4配当予想の修正

途中の決算の配当欄の下には「直近に公表されている配当予想からの修正の有無」があります。この期間の途中の決算で「有」だったのは 80社で、その予想は増配 57社・復配 2社・減配 4社・無配に 3社・未定 10社でした(前の年度の実績と比べた形)。配当予想の修正は、業績が予想より良いときに、業績予想の上方修正と一緒に出ることがあります。

決算と一緒に配当予想を修正した会社

  1. PRTIMES(3922):年間配当 前の年度 13.8円 → 今年度の予想 74.3円(+438.4%)・会社予想の営業利益 -10.3% 2027年2月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-14発表
  2. 川上塗料(4616):年間配当 前の年度 44円 → 今年度の予想 150円(+240.9%)・会社予想の営業利益 +951.0% 2026年11月期 第3四半期累計・2026-10-15発表・検出
  3. KOA(6999):年間配当 前の年度 32円 → 今年度の予想 78円(+143.8%)・会社予想の営業利益 +127.9% 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-23発表・検出
  4. G-HENNGE(4475):年間配当 前の年度 5円 → 今年度の予想 11円(+120.0%)・会社予想の営業利益 +14.7% 2026年9月期 第3四半期累計・2026-10-02発表
  5. 高度紙(3891):年間配当 前の年度 90円 → 今年度の予想 160円(+77.8%)・会社予想の営業利益 +112.3% 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-29発表・検出
  6. MORESCO(5018):年間配当 前の年度 55円 → 今年度の予想 95円(+72.7%)・会社予想の営業利益 +90.1% 2027年2月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-15発表・検出

修正の前の配当予想の金額はサマリーに載らないので、ここでは前の年度の実績と比べています。修正の前後は、同じ日の「配当予想の修正に関するお知らせ」で確かめます。

5記念配当・特別配当と、株式分割

注記に記念配当・特別配当のことが書かれていた会社は 52社でした。上場や市場の変更、会社の設立の節目などの記念配当は、その年だけのことが多く、次の年は普通の配当だけに戻ります。前の年度に記念配当があった会社が「減配」に見えるのはこのためです。

注記に記念配当・特別配当が書かれていた会社

  1. エニグモ(3665):年間配当 前の年度 30円 → 今年度の予想 30円・会社予想の営業利益 -4.7% 2027年1月期 第2四半期累計(中間期)・2026-09-14発表
  2. アップコン(5075):年間配当 前の年度 12円 → 今年度の予想 -・会社予想の営業利益 -23.4% 2027年1月期 第2四半期累計(中間期)・2026-09-14発表
  3. フィットイージー(212A):年間配当 前の年度 25円 → 今年度の予想 51円(+104.0%)・会社予想の営業利益 +51.7% 2026年10月期 第3四半期累計・2026-09-14発表
  4. クラウディアHD(3607):年間配当 今年度 12円 → 来期の予想 10円(-16.7%)・会社予想の営業利益 +18.6% 2026年8月期 通期・2026-09-29発表
  5. セキチュー(9976):年間配当 前の年度 30円 → 今年度の予想 30円・会社予想の営業利益 -3.1% 2027年2月期 第2四半期累計(中間期)・2026-09-29発表

注記に株式分割(または株式併合)のことが書かれていた会社は 37社で、このうち前の年度の実績と予想の両方が載っていた 26社は、上の増配・減配の数から外しています。たとえば1株を2株に分けると、1株あたりの配当は半分の金額になっても、持っている株の数が2倍なので受け取る額は変わりません。

6配当性向:利益のどれだけを配るか

配当性向は、純利益のうち配当に回した割合です。通期の決算で配当があり、配当性向が載っていた 88社では、中央値が 28.6%、真ん中の半分の会社が 19.3%〜48.2% に入っていました。30%未満は 46社、100%を超えて利益より多く配った会社は 6社です。

配当性向が高いと、利益が減ったときに配当を保ちにくくなります。反対に低い会社は、利益が増えれば配当を増やす余地があります。目標の配当性向を決めている会社は、会社の業績予想が増益なら、配当の予想も増えやすくなります。

7kabuscope での扱い

kabuscope の検出のルールは、売上・利益と会社の業績予想の変化だけを見ていて、配当は使っていません(しくみ)。増配は会社の自信のあらわれと受け取られることもありますが、配当の方針は会社ごとに違うので、業績の変化とは分けて見ています。

検出した会社のうち配当の欄を読めた 142社では、増配の予想 61社・据え置き 25社・減配 6社・無配が続く 25社でした。

検出した会社のうち、増配の予想の会社

  1. グッドコムアセット(3475):年間配当 前の年度 45円 → 今年度の予想 46円(+2.2%)・会社予想の営業利益 +170.0% 2026年10月期 第3四半期累計・2026-09-14発表・検出
  2. G-スマレジ(4431):年間配当 前の年度 24円 → 今年度の予想 29円(+20.8%)・会社予想の営業利益 +24.5% 2027年4月期 第1四半期累計・2026-09-14発表・検出
  3. G-フロンティアI(7050):年間配当 前の年度 70円 → 今年度の予想 73円(+4.3%)・会社予想の営業利益 +0.5% 2027年4月期 第1四半期累計・2026-09-14発表・検出
  4. 多摩川HD(6838):年間配当 前の年度 5円 → 今年度の予想 10円(+100.0%) 2026年10月期 第3四半期累計・2026-09-14発表・検出
  5. コーセル(6905):年間配当 前の年度 55円 → 今年度の予想 60円(+9.1%) 2027年5月期 第1四半期累計・2026-09-18発表・検出
  6. スター・マイカHD(2975):年間配当 前の年度 37円 → 今年度の予想 51円(+37.8%)・会社予想の営業利益 +42.9% 2026年11月期 第3四半期累計・2026-09-30発表・検出
  7. 不二越(6474):年間配当 前の年度 100円 → 今年度の予想 110円(+10.0%)・会社予想の営業利益 +56.6% 2026年11月期 第3四半期累計・2026-10-05発表・検出
  8. 放電精密(6469):年間配当 前の年度 18円 → 今年度の予想 25円(+38.9%)・会社予想の営業利益 +63.2% 2027年2月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-06発表・検出

決算のその日の全社の増益・減益の数は決算発表日ごとの一覧で見られます。

決算の読み方(ほかの記事)

数字は 2026-09-14〜2026-10-29 に適時開示(TDnet)で発表された決算短信のサマリー(XBRL)から kabuscope が読み取ったもので、毎晩の更新で新しくなります。読み取りの誤りがありえます。特定の銘柄の売買をすすめるものではありません。

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