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好決算なのに株価が下がるのはなぜ?業績が伸びた会社の決算発表後の値動きで見る

「過去最高益なのに株価が下がった」ということは珍しくありません。kabuscope が2026-09-14〜2026-10-29の決算から検出した会社(利益率の改善・大きな増益・黒字転換・上方修正など、業績が良い方向に変わった会社)133社で、発表直後の株価が市場全体と比べてどう動いたかを確かめます。株価そのものではなく、TOPIXとの差で見ています。

1業績が伸びても、半分は株価が上がらない

発表直後の反応(TOPIX との差)会社の数営業利益の伸び(中央値)
大きく上がった(+10%以上)24社(18%)+125.7%
ある程度上がった(+3〜10%)29社(22%)+73.3%
ほぼ市場並み(±3%未満)44社(33%)+79.2%
下がった(−3%以下)36社(27%)+104.9%

発表直後の反応は、発表直前の終値から、発表後はじめての取引日の終値までの、株価の騰落率 − TOPIX の騰落率です。営業利益の伸びは前年同期が黒字の会社だけで計算しています。

  • 業績が良い方向に変わった会社でも、発表直後に市場全体より3%以上上がったのは 53社(40%)で、60%は市場並みか、市場より下がりました。
  • 下がった会社の営業利益の伸び(中央値 +104.9%)は、ほかのグループと比べて小さいわけではありません。数字が良いかどうかだけでは、株価の反応は決まらないということです。

2好決算で株価が下がる、よくある理由

株価は「決算の数字」そのものではなく、「投資家が事前に期待していたことと比べてどうだったか」と「これからどうなりそうか」で動きます。よく挙げられる理由は次のとおりです。

  1. 期待が高すぎた:増益でも、アナリストや投資家の予想(市場予想・コンセンサス)に届かなければ「期待外れ」とされます。kabuscope は市場予想のデータを持っていないので、この点は確かめられません。
  2. 発表前にすでに上がっていた:良い決算が予想されて先に買われていると、発表で「材料出尽くし」として売られることがあります(次の節で数字を見ます)。
  3. この先の見通しが弱い:今回の数字は良くても、会社の業績予想を据え置いた・来期は減益を予想した、受注が減った、などの点が気にされることがあります。
  4. 利益の中身:一時的な利益(売却益・為替差益など)や、季節のずれ・前倒しで増えた利益は、続かないと見なされることがあります。
  5. 市場全体の動き:相場全体が下がった日は、良い決算でも下がります。kabuscope が TOPIX との差で見ているのは、この影響を除くためです。

3下がった会社と上がった会社の違い

発表直後の反応会社の数発表前1か月の値動き(TOPIX 比・中央値)発表前1か月で +10%以上発表直後の出来高(ふだんの何倍・中央値)
大きく上がった(+10%以上)24社+3.7%5社(21%)7.3倍
ある程度上がった(+3〜10%)29社-0.0%3社(10%)5.2倍
ほぼ市場並み(±3%未満)44社-1.5%2社(5%)3.9倍
下がった(−3%以下)36社+1.2%7社(19%)5.0倍
  • 発表前の約1か月の値動きの中央値は、下がった会社で +1.2%でした。
  • 出来高(売買の量)は、どのグループでも発表直後にふだんの4倍以上に増えています(中央値)。下がった会社も、注目されていなかったわけではありません。
  • 決算と同時の上方修正があった会社は、下がったグループに 0社、大きく上がったグループに 1社でした。

4業績が伸びたのに、発表直後に大きく下がった会社

発表直後の TOPIX との差が大きくマイナスだった会社です。それぞれのページで、検出の理由・会社の説明・「予想が外れるとしたら」を読めます。

  1. 第一工業(4461):営業利益 +123.7%、発表直後 -22.0% 2026-10-29発表・発表前1か月 -2.8%
  2. トーメンデバ(2737):営業利益 81.7億円 → 375.4億円、発表直後 -21.4% 2026-10-28発表・発表前1か月 -15.2%
  3. テセック(6337):営業利益 +288.0%、発表直後 -18.4% 2026-10-27発表・発表前1か月 -1.6%
  4. G-note(5243):営業利益 1.3億円 → 8.5億円、発表直後 -17.4%、その後を含め -22.7%(16取引日) 2026-10-06発表・発表前1か月 +39.4%
  5. 日置電(6866):営業利益 +51.0%、発表直後 -16.5%、その後を含め -15.2%(10取引日) 2026-10-15発表・発表前1か月 +6.8%
  6. G-笑美面(9237):営業利益 0.2億円 → 0.9億円、発表直後 -14.8%、その後を含め -21.0%(29取引日) 2026-09-14発表・発表前1か月 +19.4%

5下がったあと、株価はどうなったか

発表から5取引日以上たった会社で、発表直後の反応と、その後を含めたいまの TOPIX との差を比べました。

発表直後の反応会社の数その後の動き(中央値)直後より上がった会社
大きく上がった(+10%以上)20社-4.8%9社(45%)
ある程度上がった(+3〜10%)23社-5.0%8社(35%)
ほぼ市場並み(±3%未満)28社+0.7%16社(57%)
下がった(−3%以下)25社-4.9%6社(24%)

株価:Yahoo Finance(分割調整後の終値)、TOPIX は連動ETF(1306)で代用。その後の動き=(発表直前からいままでの TOPIX との差)−(発表直後の TOPIX との差)。会社ごとに経った日数が違います。

  • 発表直後に下がった 25社のうち、その後に直後より上がったのは 6社でした。下がった会社が、すぐに戻るとは限りません。
  • 反対に、発表直後に3%以上上がった 43社のうち 10社は、その後に上げた分を打ち消し、発表直前からの TOPIX との差がゼロ以下になっています。
  • 決算のあと、株価がしばらく同じ向きに動き続けることを「決算発表後のドリフト」と呼びます。kabuscope の数字はまだ期間が短く、ドリフトがあるかどうかは判断できません。

直後に下がり、その後さらに下がった会社

  1. 東京衡機(7719):営業利益 0.0億円 → 1.3億円、発表直後 -11.7%、その後を含め -28.2%(10取引日) 2026-10-15発表・発表前1か月 -3.6%
  2. 放電精密(6469):営業利益 +83.8%、発表直後 -3.5%、その後を含め -18.6%(16取引日) 2026-10-06発表・発表前1か月 +9.4%
  3. オープンG(6572):営業利益 +55.7%、発表直後 -5.2%、その後を含め -19.4%(10取引日) 2026-10-15発表・発表前1か月 -1.8%
  4. 多摩川HD(6838):営業利益 1.7億円 → 9.3億円、発表直後 -8.0%、その後を含め -21.2%(29取引日) 2026-09-14発表・発表前1か月 -2.3%

直後に下がったが、その後に市場並み以上に戻した会社

  1. G-オキサイド(6521):営業利益 -1.9億円 → 6.4億円、発表直後 -3.9%、その後を含め +3.9%(11取引日) 2026-10-15発表・発表前1か月 +2.1%
  2. G-KOMPEITO(618A):営業利益 -2.2億円 → 8.9億円、発表直後 -13.4%、その後を含め +1.9%(10取引日) 2026-10-15発表・発表前1か月 +19.3%
  3. ファーストリテ(9983):営業利益 +31.7%、発表直後 -4.7%、その後を含め +0.6%(14取引日) 2026-10-08発表・発表前1か月 +8.3%

6好決算で株価が下がった会社を見るときのポイント

  1. 発表前に上がっていなかったか:銘柄ページの「市場はすでに気づいていないか」に、発表前1か月の TOPIX との差を出しています
  2. 会社の予想が変わったか:増益でも、予想を据え置いた・来期は減益を予想した、などの点(会社の業績予想の見方)
  3. 利益の中身:営業利益が伸びたのか、特別利益などで純利益だけが伸びたのか(3つの利益の違い)
  4. 市場全体の動き:その日に相場全体が大きく動いていないか。kabuscope は TOPIX との差で見ています

株価が下がったことは、業績の変化が間違いだったという意味ではありません。逆に、業績が良いからといって株価が上がるとも限りません。kabuscope は検出した会社のその後の成績を、外れた例も含めて検出後の成績で記録しています。発表直後に下がった会社だけの一覧は決算発表で株価が下がった会社にあります。

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数字は 2026-09-14〜2026-10-29 に適時開示(TDnet)で発表された決算短信のサマリー(XBRL)から kabuscope が読み取ったもので、毎晩の更新で新しくなります。読み取りの誤りがありえます。特定の銘柄の売買をすすめるものではありません。

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