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業績予想の修正(上方修正・下方修正)の読み方:修正の幅・時期・配当や特別損益との関係
会社は決算短信で1年の業績予想を出し、見込みが大きく変わると「業績予想の修正に関するお知らせ」を出します。株価が大きく動きやすい発表のひとつです。2026-09-14〜2026-10-29に適時開示(TDnet)で出た業績予想の修正 239件(XBRL で数字を読めたもの)で、どんな修正が多いのかを確かめます。1件ずつの一覧は業績予想の修正の一覧にあります。
1業績予想の修正とは・いつ出るか
東京証券取引所のルールでは、売上高で10%以上、営業利益・経常利益・純利益で30%以上、直近の予想と変わる見込みになったら、すぐに開示することになっています(基準に届かない修正を自分から出す会社もあります)。
- 上方修正:予想を引き上げること。下方修正:予想を引き下げること
- 修正するのは、いまの年度の通期の予想か、中間期(第2四半期までの累計)の予想です。今回は通期 159件・中間期 80件でした(両方を一緒に直す会社は、このページでは通期として数えています)
- 決算短信と同じ日に出る修正は 23件(10%)で、残りは決算とは別の日に出ていました。多くは、期の終わりが近づいて着地の見込みが変わったときに、決算の発表を待たずに出されます
お知らせには、修正前(前回の予想)・修正後・増減額・増減率・前の期の実績が表で並び、その下に「修正の理由」が書かれます。数字の表だけでなく、理由の文章を読むのが大切です(7で詳しく)。
2上方修正と下方修正、どちらが多いか
| 件数 | 営業利益の修正の幅(中央値) | |
|---|---|---|
| 上方修正 | 166件(69%) | 22.9%(134件) |
| 下方修正 | 69件(29%) | 34.5%(62件) |
向きは、営業利益 → 経常利益 → 純利益 → 売上高の順に、最初に変わった項目で決めています。修正の幅は、修正前の営業利益の予想が黒字のときだけ計算しています。
この期間は上方修正のほうが多くなりました。ただし、修正の幅は下方修正のほうが大きい結果でした。売上が減ると、人件費や家賃のような決まった費用は減らないため、利益は売上の減り以上に減りやすくなります。景気や為替の向きで、上方と下方の割合は時期によって大きく変わります。
営業利益の修正の幅の分布
| 修正の幅 | 上方修正 | 下方修正 |
|---|---|---|
| 10%未満 | 37件 | 13件 |
| 10〜30% | 48件 | 11件 |
| 30〜50% | 25件 | 17件 |
| 50%以上 | 24件 | 21件 |
- 赤字の予想を黒字に直した会社は 4件、黒字の予想を赤字に直した会社は 11件ありました。
- 利益の修正幅が10%未満でも、売上が大きく動いたときや、配当予想と一緒に直すときに開示する会社があります。
3上方修正でも「減益」、下方修正でも「増益」のことがある
修正のニュースは「前回の予想」と比べた話です。前の期の実績と比べると、見え方が変わることがあります。
- 営業利益を上方修正したのに、修正後の予想がまだ前の期の実績より少ない(減益の予想のまま)会社:23件
- 営業利益を下方修正しても、修正後の予想が前の期の実績より多い(増益の予想のまま)会社:16件
期の初めの予想がとても控えめだったり、反対に強気だったりした会社です。お知らせの表の「前期実績」の行と、修正後の予想を比べると分かります。
4売上と利益で、修正の向きが逆のとき
売上の予想を下げたのに営業利益の予想を上げた会社が 14件、売上を上げたのに営業利益を下げた会社が 10件ありました。
- 売上は下方・利益は上方:もうけの少ない取引を減らした、値上げで数量は減ったが1つあたりのもうけが増えた、費用を抑えた、などのことがあります。売上が減っているので、続くかどうかは理由の文章で確かめます
- 売上は上方・利益は下方:原材料や人件費が上がって、売上が増えても利益が残らない、値下げで売上を伸ばした、などのことがあります
売上は下方・営業利益は上方に修正した例:
5配当や特別損益と一緒に出る修正
お知らせの題名から分かる組み合わせです。
- 配当予想も一緒に修正:48件(うち業績は上方修正 43件)。利益の見込みが増えたぶんを、増配として株主に回す会社が多くあります(増配・減配・配当予想の修正の読み方)。
- 特別利益・特別損失・税金の計上と一緒:21件。土地や株の売却益、減損損失、役員退職慰労金、繰延税金資産の計上などです。
- 営業利益の予想はほとんど変えず(5%未満)、純利益の予想だけを2割以上動かした修正は 16件ありました。
特別利益・特別損失や税金の影響は、その年かぎりのことが多く、本業の力が変わったわけではありません。純利益の修正を見たら、営業利益の予想も変わっているかを確かめます。kabuscope が営業利益の予想で修正の向きを決めているのはこのためです。
業績の上方修正と同時に配当予想も修正した例
- シライ電子(6658):通期の営業利益予想 8.5億円 → 18.0億円(+111.8%) 2026-10-19発表
- アクセル(6730):通期の営業利益予想 12.0億円 → 22.9億円(+90.8%) 2026-09-28発表
- 積水化成(4228):通期の営業利益予想 31.0億円 → 53.0億円(+71.0%) 2026-10-28発表
特別損益などと一緒に修正した例
- 栗田工(6370):通期の営業利益予想 655.0億円 → 435.0億円(-33.6%) 2026-10-29発表
「工事損失の計上による業績予想の修正および個別決算における特別損失の計上に関するお知らせ」 - パーク24(4666):通期の純利益予想 440.0億円 → 385.0億円(-12.5%) 2026-10-23発表
「特別損失の計上および通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」 - 東海染工(3577):通期の営業利益予想 4.5億円 → 1.5億円(-66.7%) 2026-10-23発表
「投資有価証券売却に伴う特別利益の計上見込み及び業績予想の修正に関するお知らせ」 - 共栄セキュリティ(7058):通期の営業利益予想 11.7億円 → 10.0億円(-14.5%) 2026-10-22発表
「特別損失(役員退職慰労金)計上に伴う業績予想の修正に関するお知らせ」
6修正はいつ・何時に出るか
| 発表の時刻 | 件数 |
|---|---|
| 15:30 | 104件(44%) |
| 16:00 | 34件(14%) |
| 15:00 | 19件(8%) |
| 14:00 | 17件(7%) |
| 17:00 | 8件(3%) |
| 16:30 | 7件(3%) |
- 取引時間が終わる15時30分ちょうどがいちばん多く、15時30分より前(多くは取引時間中)に出た修正は 63件(26%)でした。取引時間中に出ると、その場で株価が動きます。
- 曜日:月 31件・火 36件・水 45件・木 71件・金 56件。
- 期の終わり(3月決算の会社なら9月末・3月末)から決算発表までの間は、決算の前に修正を出す会社が増えます。決算発表の時期は決算発表はいつ・何時?にまとめています。
7修正のお知らせを見たら確かめたいこと
- どの利益を直したか:営業利益か、純利益だけか(特別損益・税金なら一時的なことが多い)
- 修正の理由:売上が増えた・値上げが通った・費用が減った・為替の影響、など。続く理由か、一度きりの理由か
- 前の期の実績との比較:上方修正でも減益の予想のままか
- ここまでの進み具合:修正後の予想に対して、決算の累計がどこまで進んでいるか(進捗率の目安)。修正後も進みが速ければ、さらに修正されることもあります
- 株価がすでに動いていないか:上方修正でも、期待されていたぶんだけ株価が下がることがあります(好決算なのに株価が下がるのはなぜ?)
8kabuscope での使い方
- 営業利益の予想を10%以上引き上げた修正は「上方修正」(通期 +3・中間期 +2)、5%以上引き下げた修正は −3。検出の基準は合計 4 以上です
- 決算とは別の日に出た上方修正は、いまのルールではそれだけでは基準に届かず、検出していません(決算とは別の日に営業利益を10%以上引き上げた修正は 89件)。決算と同じ日に修正も出し、決算の数字と合わせて検出された会社は 5件です
- 全件の一覧(修正前・修正後・前期の実績比・kabuscope の扱い)は業績予想の修正の一覧、修正が出た日のほかの発表は決算発表日ごとのページで見られます
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数字は 2026-09-14〜2026-10-29 に適時開示(TDnet)で発表された決算短信のサマリー(XBRL)から kabuscope が読み取ったもので、毎晩の更新で新しくなります。読み取りの誤りがありえます。特定の銘柄の売買をすすめるものではありません。
検出理由・株価の反応ごとに見る
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- 予想を上方修正5社