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会社の業績予想(通期予想)の見方:増益予想の割合・修正・予想なしの会社

日本の上場会社の多くは、決算短信で「この1年の売上や利益はこのくらいになる」という業績予想を出しています。株価はこの予想と、その変化に大きく反応します。2026-09-14〜2026-10-29に発表された決算短信 776社(売上5億円以上)で、予想がどう出されているかを確かめます。

1決算短信のどこに載っているか

決算短信の1ページ目の下のほうに「連結業績予想」(または「業績予想」)の表があります。売上高・営業利益・経常利益・純利益・1株当たり利益の、通期(1年分)の予想と、前の期の実績に対する増減率(%)が並びます。中間期の予想を一緒に載せる会社もあります。

  • 四半期・中間期の決算のときは、いまの年度の予想です。期の初めに出した予想を、そのまま据え置くか、修正するかが書かれます(「直近に公表されている業績予想からの修正の有無:有・無」)。
  • 通期(本決算)のときは、終わった年度の実績と一緒に、次の年度の予想が初めて出ます。
  • 予想を「10億円〜15億円」のような幅で出す会社や、売上だけ・1株当たり利益だけを出す会社もあります。

2会社は増益と減益、どちらを予想しているか

前の期の実績と比べた、営業利益の予想の増減です。

会社の数増益の予想減益の予想20%以上の増益20%以上の減益中央値
今期の予想(四半期・中間期の決算)543社410社(76%)132社(24%)165社59社+8.9%
来期の予想(通期の決算)101社84社(83%)17社(17%)36社11社+12.5%

営業利益の予想と前の期の実績がある会社だけ。前の期が赤字の会社などは増減率が出ないため入っていません。

  • どちらも増益を予想する会社が多数派です。予想は会社が自分で立てる目標に近く、「増益の予想」だけでは珍しくありません。
  • 見るべきなのは、予想と実績の差(進み具合)と、予想が変わったかです。進み具合は進捗率の目安の記事で詳しく見ています。
  • 営業利益が赤字になると予想している会社も 37社ありました。

3決算と同時に予想を修正した会社

四半期・中間期の決算短信で、通期の予想を修正していた会社は 170社でした。

決算短信予想を修正
第1四半期103社8社(8%)
中間期422社127社(30%)
第3四半期122社35社(29%)

第1四半期では修正が少なく、中間期・第3四半期と、年度の後半ほど修正が増える傾向があります。前半の数字がそろい、1年の着地が見えてくるためです。決算とは別の日に「業績予想の修正に関するお知らせ」として出ることも多く、それらは業績予想の修正の一覧にまとめ、修正のお知らせの読み方は業績予想の修正の読み方で解説しています。

東証のルールでは、売上高で10%以上、利益で30%以上、予想と実際が変わる見込みになったら、すぐに開示することになっています。だから、決算短信に「修正なし」とあっても、予想どおりに進んでいるとは限りません(その範囲に収まる、という意味のこともあります)。

4予想が控えめに見える会社

今期の営業利益は減益と予想しているのに、ここまでの累計では前年同期より10%以上増えていて、予想も修正していない会社が 10社ありました。後半に費用が集まる計画や、一時的な利益の反動を見込んでいることもありますが、予想が控えめで、あとで上方修正されることもあります。

  1. ファーストブラザーズ(3454):今期の営業利益の予想 -21.6%(今回の決算の営業利益 +86.4%) 2026年11月期 第3四半期累計・2026-10-09発表・検出
  2. 北海電工(1832):今期の営業利益の予想 -4.7%(今回の決算の営業利益 +77.9%) 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-27発表
  3. IGポート(3791):今期の営業利益の予想 -24.3%(今回の決算の営業利益 +74.5%) 2027年5月期 第1四半期累計・2026-10-15発表・検出
  4. ソーバル(2186):今期の営業利益の予想 -1.8%(今回の決算の営業利益 +27.9%) 2027年2月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-14発表
  5. デコラックス(7950):今期の営業利益の予想 -8.0%(今回の決算の営業利益 +25.4%) 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-29発表・検出

5通期の決算で、来期の大きな変化を予想した会社

本決算では、次の年度の予想が初めて出ます。株価は終わった年度の実績よりも、この来期の予想に反応することがよくあります。今回の営業利益が1億円以上の会社のうち、来期の営業利益の予想の増減が大きかった会社です。

大きな増益を予想

  1. G-プロディライト(5580):来期の営業利益の予想 +160.0%(今回の決算の営業利益 -31.5%) 2026年8月期 通期・2026-10-15発表
  2. アドテック プラズマ(6668):来期の営業利益の予想 +106.8%(今回の決算の営業利益 +41.7%) 2026年8月期 通期・2026-10-09発表・検出
  3. アクサスHD(3536):来期の営業利益の予想 +100.3%(今回の決算の営業利益 +36.6%) 2026年8月期 通期・2026-10-14発表
  4. G-ククレブ(276A):来期の営業利益の予想 +92.2%(今回の決算の営業利益 +86.9%) 2026年8月期 通期・2026-10-15発表
  5. G-KOMPEITO(618A):来期の営業利益の予想 +90.5% 2026年8月期 通期・2026-10-15発表・検出

大きな減益を予想

  1. G-Pアンチエイジ(4934):来期の営業利益の予想 -80.0%(今回の決算の営業利益 -19.9%) 2026年7月期 通期・2026-09-14発表
  2. ユーピーアール(7065):来期の営業利益の予想 -59.7%(今回の決算の営業利益 +195.3%) 2026年8月期 通期・2026-10-15発表
  3. プリントネット(7805):来期の営業利益の予想 -45.8%(今回の決算の営業利益 -13.5%) 2026年8月期 通期・2026-10-14発表
  4. 山王(3441):来期の営業利益の予想 -39.2%(今回の決算の営業利益 +65.2%) 2026年7月期 通期・2026-09-14発表
  5. 福島印(7870):来期の営業利益の予想 -37.5%(今回の決算の営業利益 +51.4%) 2026年8月期 通期・2026-10-02発表

( )の中は、終わった年度の営業利益の前の年度との比較です。

6営業利益の予想がない会社

決算短信のサマリーに営業利益の予想がなかった会社は 39社(5%)でした。理由はいろいろです。

  • 市場の動きで業績が大きく変わる証券会社などは、予想を出さないことが多い
  • 売上の伸び率や1株当たり利益だけを予想として出す会社もある
  • 買収や事業の整理、事故・不祥事などで、見通しを立てられないとして予想を「未定」にしている

予想がない会社は、進捗率で進み具合を測れません。前年同期との比較と、決算短信の説明文で変化を読むことになります。

業績予想と同じく、決算短信には配当の予想も載ります。増益の予想の会社のうち配当も増やす予想の会社がどのくらいあるかは「増配・減配・配当予想の修正とは」で見られます。

7kabuscope での使い方

  • 四半期・中間期の決算で、前の年の同じ時期より予想に対する進みが速い会社は「会社予想に対して進みが速い」(重み +2。予想を修正していないときだけ)
  • 通期の決算で、来期の営業利益を20%以上の増益と予想した会社は「来期も大きな増益を予想」(重み +1)、減益の予想は −1
  • 業績予想の修正は「上方修正」(通期 +3・中間期 +2)、下方修正は −3。検出の基準は合計 4 以上です

決算の読み方(ほかの記事)

数字は 2026-09-14〜2026-10-29 に適時開示(TDnet)で発表された決算短信のサマリー(XBRL)から kabuscope が読み取ったもので、毎晩の更新で新しくなります。読み取りの誤りがありえます。特定の銘柄の売買をすすめるものではありません。

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