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営業利益率の目安は何%?実際の決算で見る分布と、利益率が変わった会社

営業利益率は「売上のうち、本業のもうけがどのくらい残ったか」を表す割合です。「10%あれば優良」とよく言われますが、実際の会社はどのあたりに多いのでしょうか。2026-09-14〜2026-10-29に発表された決算短信 776社(売上5億円以上)の数字で確かめます。

1営業利益率の計算

営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上高 × 100

たとえば売上が100億円で営業利益が8億円なら、営業利益率は8%です。売上100円あたり8円が本業のもうけとして残った、という意味です。残りの92円は、仕入れや材料などの売上原価と、人件費・広告費・家賃などの販管費に使われています。

決算短信の1ページ目には営業利益率そのものは載っていないことが多いので、売上高と営業利益から自分で計算します。四半期の決算なら、どちらも年度の始めからの累計で割ります。

2実際の営業利益率の分布

営業利益率会社の数
赤字(0%未満)99社(13%)
0〜5%223社(29%)
5〜10%202社(26%)
10〜15%111社(14%)
15〜20%47社(6%)
20〜30%57社(7%)
30%以上37社(5%)
  • 中央値(真ん中の会社)は 6.1%。真ん中の半分の会社は 2.2%〜12.4% に入っています。
  • 「優良」の目安と言われる10%以上は 252社(32%)で、全体の3分の1に届きません。上位1割の境目は 21.5%でした。
  • 営業利益が赤字(利益率がマイナス)の会社は 99社(13%)ありました。
  • 決算の種類ごとの中央値:第1四半期 5.5%(103社)・中間期 6.2%(422社)・第3四半期 6.0%(122社)・通期 5.9%(129社)

この期間に決算を出したのは、9月・10月が四半期末や期末にあたる会社が中心です(3月決算の会社の中間期は、多くが10月下旬〜11月中旬に出ます)。業種の偏りがあるので、数字は「いまの集計ではこうだった」という目安として見てください。

3業種で目安がまったく違う

営業利益率は、ほかの会社と比べるときに業種の違いが大きく出ます。一般に、商品を仕入れて売る卸売・小売は数%、工場や設備の大きい製造業は5〜10%前後、人や設備をあまり増やさずに売上を伸ばせるソフトウェア・ネットのサービスや、独自の技術を持つ会社は20%を超えることもあります。

だから「利益率5%は低い」とは言い切れません。比べるなら、同じ業種の会社どうしか、同じ会社の前の年です。kabuscope は後者で、同じ会社の前年同期と比べて利益率が上がったかを見ています。

利益率の高かった会社(営業利益10億円以上)

  1. オービック(4684):営業利益率 68.0%(前年同期 66.4%)、営業利益 510.4億円 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-27発表
  2. JPX(8697):営業利益率 64.6%(前年同期 57.4%)、営業利益 846.7億円 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-27発表・検出
  3. ルネサス(6723):営業利益率 61.4%(前年同期 13.8%)、営業利益 7,580億円 2026年12月期 第3四半期累計・2026-10-29発表・検出
  4. キーエンス(6861):営業利益率 55.5%(前年同期 49.9%)、営業利益 4,083億円 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-29発表・検出
  5. アドバンテス(6857):営業利益率 54.0%(前年同期 44.1%)、営業利益 4,568億円 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-28発表・検出

4前の年と比べて、どのくらい変わるか

前年同期と比べられた 754社のうち、営業利益率が2ポイント以上上がった会社は 198社(5ポイント以上は 87社)、2ポイント以上下がった会社は 150社でした。変化の中央値は +0.1ポイントで、多くの会社では1年で利益率はそれほど大きく動きません。だから、2ポイントを超えて動いたときは、会社の中で何かが変わったサインになります。

  • 売上が増えて、利益率も2ポイント以上上がった会社:181社
  • 売上は増えたのに、利益率が2ポイント以上下がった会社:76社

5利益率が大きく上がった会社(実例)

売上が減っておらず、前年同期・今回とも営業利益が1億円以上の会社のうち、利益率の上がり幅が大きかった会社です。値上げが通った、売れ筋の高い商品・サービスが増えた、売上が伸びても人件費や家賃があまり増えなかった(固定費の効果)などが、よくある理由です。

  1. ルネサス(6723):13.8% → 61.4%(+47.6ポイント)、売上 +27.3% 2026年12月期 第3四半期累計・2026-10-29発表・検出
  2. G-note(5243):4.2% → 20.9%(+16.8ポイント)、売上 +33.2% 2026年11月期 第3四半期累計・2026-10-06発表・検出
  3. ヒロセ通商(7185):23.6% → 38.1%(+14.5ポイント)、売上 +55.6% 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-29発表・検出
  4. 多摩川HD(6838):4.3% → 17.5%(+13.2ポイント)、売上 +35.8% 2026年10月期 第3四半期累計・2026-09-14発表・検出
  5. テセック(6337):7.3% → 19.5%(+12.2ポイント)、売上 +44.5% 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-27発表・検出

6売上は増えたのに、利益率が下がった会社(実例)

売上が5%以上増えたのに、利益率が下がった会社です。原材料や人件費の値上がりを販売価格に転嫁しきれない、将来に向けて人や広告に先にお金を使っている、利益率の低い事業を買収した、などの理由があります。先行投資なら、次の期以降に利益率が戻るかを見ます。

  1. G-セイワHD(523A):21.7% → 7.2%(-14.6ポイント)、売上 +11.6% 2027年5月期 第1四半期累計・2026-10-14発表
  2. G-テクノロジーズ(5248):22.2% → 10.1%(-12.1ポイント)、売上 +28.6% 2027年1月期 第2四半期累計(中間期)・2026-09-14発表
  3. 関西電力(9503):13.8% → 3.7%(-10.0ポイント)、売上 +11.3% 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-29発表
  4. G-ククレブ(276A):24.0% → 16.3%(-7.7ポイント)、売上 +174.8% 2026年8月期 通期・2026-10-15発表
  5. 燦HD(9628):14.1% → 6.8%(-7.3ポイント)、売上 +80.5% 2026年8月期 通期・2026-10-15発表

7利益率を見るときの注意

  • 売上の小さい会社は振れやすい:売上が小さいと、少しの費用の違いで利益率が大きく動きます。kabuscope は売上5億円未満(累計)の決算を検出の対象から外しています。
  • 一時的な要因:為替、大口の案件、前の年からずれ込んだ売上(期ずれ)などで、その期だけ利益率が上がることがあります。決算短信の説明文で理由を確かめます。
  • 粗利率と販管費のどちらが効いたか:売上総利益率(粗利率)が上がったのか、販管費の割合が下がったのかで、意味が違います。値上げや商品の入れ替えは粗利率に、固定費の効果は販管費の割合に出ます。

8kabuscope での使い方

検出ルールの「利益率が改善」は、売上が前年同期より減っておらず、営業利益が黒字で、営業利益率が前年同期より2ポイント以上上がったときに当てはまります(重み +2、5ポイント以上は +3)。売上の伸び以上に利益が伸びた会社は「利益が売上より大きく伸びた」でも見ています。

決算の読み方(ほかの記事)

数字は 2026-09-14〜2026-10-29 に適時開示(TDnet)で発表された決算短信のサマリー(XBRL)から kabuscope が読み取ったもので、毎晩の更新で新しくなります。読み取りの誤りがありえます。特定の銘柄の売買をすすめるものではありません。

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