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増収増益・増収減益・減収増益・減収減益:4つのパターンの読み方と実例
決算のニュースでよく見る「増収増益」「減収減益」は、売上(収)と利益(益)が前の年の同じ時期より増えたか減ったかの組み合わせです。4つのパターンにはそれぞれ違う意味があります。2026-09-14〜2026-10-29に発表された決算短信 754社(売上5億円以上・前年同期と比べられる会社)で、実際の割合と例を見ます。
14つのパターンと実際の割合
ここでは、売上は売上高、利益は本業のもうけの営業利益で、どちらも前年同期と比べています(ニュースでは経常利益や純利益で言うこともあります)。
| 会社の数 | 売上の伸び(中央値) | 営業利益の伸び(中央値) | 利益率の変化(中央値) | |
|---|---|---|---|---|
| 増収増益 | 424社(56%) | +11.4% | +30.0% | +1.5ポイント |
| 増収減益 | 171社(23%) | +6.2% | -18.5% | -1.6ポイント |
| 減収増益 | 35社(5%) | -3.1% | +12.4% | +1.6ポイント |
| 減収減益 | 124社(16%) | -5.0% | -32.7% | -3.0ポイント |
営業利益の伸びは、前年同期・今回とも黒字の会社だけで計算しています。赤字が縮んだ場合も「増益」、赤字が広がった場合も「減益」に数えています。
- いちばん多いのは増収増益で 56%。次が増収減益(23%)、減収減益(16%)で、減収増益は 35社(5%)と少数でした。
- 増収増益の会社は、売上の伸び(中央値 +11.4%)より営業利益の伸び(+30.0%)のほうがずっと大きくなっています。売上が増えても、人件費や家賃などの固定費はすぐには増えないため、利益は売上より大きく動きやすいのです。
決算の種類ごと
| 会社の数 | 増収増益 | 増収減益 | 減収増益 | 減収減益 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 第1四半期 | 95社 | 54社(57%) | 16社(17%) | 4社(4%) | 21社(22%) |
| 中間期 | 415社 | 226社(54%) | 104社(25%) | 18社(4%) | 67社(16%) |
| 第3四半期 | 117社 | 77社(66%) | 21社(18%) | 5社(4%) | 14社(12%) |
| 通期 | 127社 | 67社(53%) | 30社(24%) | 8社(6%) | 22社(17%) |
2増収増益:売上も利益も増えた
いちばん分かりやすい良い決算の形です。ただ、増収増益の会社は全体の半分ほどもあり、それだけでは珍しくありません。見どころは利益がどのくらい伸びたかと、利益率が上がったかです。売上が少し増えただけで利益が大きく伸びているなら、稼ぐ仕組みが良くなっている可能性があります。
この期間の増収増益 424社のうち、前年同期の赤字から黒字に転換した会社が 37社ありました(黒字転換・赤字転落の実例)。
営業利益の伸びが大きかった会社(前年・今回とも1億円以上)
- MERF(3168):売上 +29.6%・営業利益 +3694.9%、営業利益率 0.1% → 4.2% 2026年8月期 通期・2026-10-14発表
- G-note(5243):売上 +33.2%・営業利益 +568.5%、営業利益率 4.2% → 20.9% 2026年11月期 第3四半期累計・2026-10-06発表・検出
- ルネサス(6723):売上 +27.3%・営業利益 +466.0%、営業利益率 13.8% → 61.4% 2026年12月期 第3四半期累計・2026-10-29発表・検出
- 多摩川HD(6838):売上 +35.8%・営業利益 +455.7%、営業利益率 4.3% → 17.5% 2026年10月期 第3四半期累計・2026-09-14発表・検出
- SBIGアセットM(4765):売上 +271.2%・営業利益 +362.4%、営業利益率 19.5% → 24.3% 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-27発表・検出
前の年の利益が小さいと、伸び率は何倍にもなります。率だけでなく金額も確かめます。
3増収減益:売上は増えたのに、利益が減った
売上は伸びているのに、費用がそれ以上に増えた形です。理由は大きく2つに分かれます。
- 守りの減益:原材料・人件費・電気代などの値上がりを、販売価格に転嫁しきれていない。値上げが追いつけば戻ることもありますが、続くなら稼ぐ力が落ちています。
- 攻めの減益:人の採用、広告、新しい店や工場など、将来の売上のために先にお金を使っている。会社が決算短信で「先行投資」と説明していることが多く、次の期以降に利益がついてくるかを見ます。
この期間の増収減益は 171社。利益率の変化の中央値は -1.6ポイントで、売上の伸び(中央値 +6.2%)があっても利益率が下がっています。前年同期の黒字から赤字に転落した会社も 18社ありました。
売上が5%以上増えたのに、営業利益が大きく減った会社
- ガーデン(274A):売上 +7.9%・営業利益 -73.0%、営業利益率 9.1% → 2.3% 2027年2月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-15発表
- 関西電力(9503):売上 +11.3%・営業利益 -69.9%、営業利益率 13.8% → 3.7% 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-29発表
- 大黒天(2791):売上 +5.5%・営業利益 -65.2%、営業利益率 2.1% → 0.7% 2027年5月期 第1四半期累計・2026-10-13発表
- G-セイワHD(523A):売上 +11.6%・営業利益 -63.1%、営業利益率 21.7% → 7.2% 2027年5月期 第1四半期累計・2026-10-14発表
- 帝国ホテル(9708):売上 +10.2%・営業利益 -59.6%、営業利益率 1.3% → 0.5% 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-29発表
4減収増益:売上は減ったのに、利益が増えた
この期間は 35社と、4つの中でいちばん少ないパターンです。利益の低い仕事を断った・やめた(採算の見直し)、費用を削った、値上げで数量は減ったが1つあたりのもうけが増えた、などで起きます。
採算の見直しが終われば売上が再び伸びることもありますが、費用を削っただけなら長くは続きません。kabuscope の検出ルールでは、売上が減った決算には「売上は減少」として重み −1 を付けています(利益の改善がコスト削減頼みの可能性があるため)。
実例(前年・今回とも営業利益1億円以上)
- SE H&I(9478):売上 -0.5%・営業利益 +93.8%、営業利益率 11.2% → 21.9% 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-22発表
- AVANTIA(8904):売上 -2.0%・営業利益 +52.9%、営業利益率 1.9% → 3.0% 2026年8月期 通期・2026-10-13発表
- 川崎地質(4673):売上 -22.1%・営業利益 +52.0%、営業利益率 6.7% → 13.0% 2026年11月期 第3四半期累計・2026-10-14発表
- 福島印(7870):売上 -8.2%・営業利益 +51.4%、営業利益率 3.4% → 5.6% 2026年8月期 通期・2026-10-02発表
- セキチュー(9976):売上 -1.7%・営業利益 +21.8%、営業利益率 3.2% → 4.0% 2027年2月期 第2四半期累計(中間期)・2026-09-29発表
5減収減益:売上も利益も減った
売上が減ると、固定費は変わらないので利益はそれ以上に減ります。この期間の減収減益 124社では、売上の減り方(中央値 -5.0%)に比べて、営業利益の減り方(-32.7%)がずっと大きくなっていました。黒字から赤字に転落した会社は 25社です。
ただし、前の年に大口の案件や特需(需要の前倒し)があった反動なら、一時的なこともあります。会社の通期予想が守られているか、進捗率も合わせて確かめます。
営業利益の減り方が大きかった会社(前年・今回とも1億円以上)
- プロレドパートナーズ(7034):売上 -50.2%・営業利益 -90.1%、営業利益率 37.8% → 7.5% 2026年10月期 第3四半期累計・2026-09-14発表
- 田岡化学工業(4113):売上 -8.6%・営業利益 -74.5%、営業利益率 7.9% → 2.2% 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-29発表
- オービス(7827):売上 -14.2%・営業利益 -67.8%、営業利益率 5.6% → 2.1% 2026年10月期 第3四半期累計・2026-09-14発表
- アイチ(6345):売上 -10.4%・営業利益 -65.7%、営業利益率 9.3% → 3.6% 2027年3月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-29発表
- G-ライズ(9168):売上 -1.1%・営業利益 -64.9%、営業利益率 22.8% → 8.1% 2027年2月期 第2四半期累計(中間期)・2026-10-14発表
6パターンだけで判断しないために
7kabuscope での使い方
kabuscope は「増収増益かどうか」ではなく、その中身を見ています。売上の伸び以上に利益が伸びた(利益が売上より大きく伸びた)、利益率が上がった(利益率が改善)、赤字から黒字になった(赤字から黒字に転換)などの理由に重みを付け、合計が 4 以上の会社を検出しています。日ごとの全社の増収・増益の状況は決算発表日ごとの一覧で見られます。
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数字は 2026-09-14〜2026-10-29 に適時開示(TDnet)で発表された決算短信のサマリー(XBRL)から kabuscope が読み取ったもので、毎晩の更新で新しくなります。読み取りの誤りがありえます。特定の銘柄の売買をすすめるものではありません。
検出理由・株価の反応ごとに見る
- 利益率が改善140社
- 利益が売上より大きく伸びた118社
- 会社予想に対して進みが速い37社
- 赤字から黒字に転換20社
- 来期も大きな増益を予想8社
- 予想を上方修正5社